こんにちは、レベッカ(@revy_ca )です!
3月30日(金)公開の『レッド・スパロー』をさっそく見てきました。
想像の500倍ぐらい面白かったので、尻込みしている人のお尻をもうひと押しするべく、感想とおすすめポイントをサクッとお伝えします!
日本版の予告ができる前から、ジェニファー・ローレンスがスパイ映画に主演するぞ!と聞いて無条件に楽しみにしていた一作。
最後の1秒まで緻密に練り上げられたストーリー、息つく間のない巧みな演出、キャラクターにこれ以上ない説得力をもたせるジェニファー・ローレンスのとんでもない演技力。
脱帽です。この映画、帽子を何枚脱いでも脱いでも、脱ぎたりません。
・計算されたストーリーに酔いしれたい
・強い女が好き
・エッチなシーンを誰かと一緒に見ると気まずい
⚠ここから先は公式サイトで公開しているレベルのあらすじに触れています。
文章や映像から情景を読み取る能力が高い人は、ここから下のレビューは見ないで劇場に直行した方がこの映画は楽しめますよ!
脚本の緻密さが光るスパイ・サスペンス
さて、では本題。
ケガによって将来有望だったバレリーナの道を断たれ、母との生活を守るために意志に反してスパイへの道を歩むことになる主人公ドミニカ。
相手の欲望を的確に読み取り、バレリーナ時代に培われた演技力をいかして、スパイとしての頭角をあらわしていく中、様々な陰謀に巻き込まれていく……
というのがこの映画の簡単なあらすじ。
最近のスパイ映画は、アクションを魅せることを主体にした作品が多く、まだ情報が少なかったころは、このレッド・スパローもジェニファーにごりっごりのアクションをやらせる映画だと思ってたんですよね。
たとえば最近話題になったシャリーズ・セロン主演『アトミック・ブロンド』みたいな!
シルバーブロンドでぱっつん前髪の女スパイというところもそっくり。キレッキレのアクションが最高の一作。
ところがどっこい、全然違いました。
レッド・スパローの面白さは、なんと言っても脚本(ストーリー)の緻密さにあります。
スパイ映画は、国家や組織の「陰謀」にどう立ち向かうかがストーリーの主軸になることが多いですが、レッド・スパローではその「陰謀」が「個人間の欲望」という形でも複雑に展開していきます。
とくに「すげえ脚本だ!!!」と思ったのが、相手を自分の思い通りに動かそうとする時に、「相手の選択肢を奪って退路を断つ」という手段が何度も出てくる点。
これって実際やろうとするとめっちゃ難しい。
なぜなら、
- 相手のやりたいことを予想する能力
- 相手の退路を断つ巧みな策略
- 相手のやりたいことを邪魔できる権力
少なくともこれだけの「力」が必要だからです。
この映画の舞台はロシアということもあり、「圧倒的な資金」と「政府の力」がなによりもモノをいいます。
権力が使えない立場の場合は、超ハードモード。
そんな中、ジェニファー・ローレンス演じるドミニカが自らの力を開花させていく姿に、あらゆる意味で震えが止まりません。
ドミニカがバレリーナからスパイになるまでの話も非常に面白い。ここが丁寧に描かれているからこそ、ストーリー全体に説得力が出ています。
国家の策略、個人の陰謀、儚い願い、あらゆる欲望を読み取り、コントロールしていく彼女の武器がどこまで鋭く輝くか。
ぜひ劇場で確かめて欲しいです。
ジェニファー・ローレンスがもたらすキャラクターへの説得力
元バレリーナという経歴しかもたない女スパイ「ドミニカ」が、これほど緻密なストーリーの中でここまで美しく輝くのは、なんといっても主演ジェニファー・ローレンスの力が大きいです。
ジェニファーのなにがすごいって、めっちゃ演技うまい。これに尽きます。
『世界にひとつのプレイブック』では、当時、若干21歳にしてアカデミー主演女優賞を受賞。
隠しきれない脆さの中に、カリスマ性と芯の強さをもった未亡人を巧みに演じています。
この作品の監督デヴィッド・O・ラッセルはジェニファー・ローレンスが大のお気に入り。賑やかでどギツイ奥さま役を演じている『アメリカン・ハッスル』もオススメ!
どうしてか日本での知名度が実力に追いついてない感じがあるんですよね。
おそらく、アメリカで大ヒットした『ハンガーゲーム』が、日本ではイマイチ人気が出なかったのも大きいと思います。
総勢24人の若者が生死をかけたサバイバルゲームに挑むアクション映画。異世界ファンタジーやディストピアSFが好きな人にオススメの一作。
さて、肝心のレッド・スパローですが、主人公ドミニカの最大の武器といえば、相手の欲望を読みとる素質と、バレエで培われた演技力。
実際にバレエを踊るシーンがあるのですが、このシーンのために、ジェニファーは撮影までの3ヵ月間、なんと1日3時間ものトレーニングを敢行。
さすがにテクニカルな場面はスタントを使っているようですが、その成果は存分に発揮されています。
たしかによくよく考えてみると、バレリーナは自分の体を究極までコントロールする職業。
己のみならず、他人までコントロールする必要があるスパイにはうってつけの資質です。
この作品でドミニカを演じる以上、このトレーニングは欠かせないものだったとジェニファー本人もインタビューで語っていました。わかるわぁ。
▼『#レッドスパロー』人物紹介▲
🇷🇺ワーニャ・エゴロワ
/マティアス・スーナールツドミニカ(ジェニファー・ローレンス)の叔父で、ロシア情報庁の幹部。ドミニカをスパイの養成機関へ送り込む。ドミニカに、CIAのナッシュに近づき、ロシア情報庁内の内通者を探る任務を与える。 pic.twitter.com/vUxwKhvq8N
— 20世紀フォックス映画 (@foxjpmovie) 2018年3月6日
ドミニカの素質を見抜いていた叔父エゴロワ。このふたりの関係、めちゃくちゃエモいです。
「演技力がある役を演じる」のはなかなかに難しいことですが、ジェニファーはその凄まじい才能をもって、最後の最後まで見事にこの役を演じきっています。
ジョエル・エガートン演じるCIA捜査官ネイトとの関係も捨てがたい。彼とのやりとりでは、ドミニカの武器がさらに輝きを放ちます。
素のドミニカを演じる演技と、ドミニカの戦略上の演技の違いがとにかく絶妙。
その差に気付いたときに、この映画とジェニファーの素晴らしさに脱帽するはず。
ぜひ、たくさんの人に楽しんでもらいたい一作です。