こんにちは、レベッカ(@revy_ca )です!
2月公開の映画の感想をハイライトでお送りするシリーズ第2弾です。
前回(2018年1月公開映画の感想)の記事はこちら↓↓
2月からアカデミー賞ノミネート作品の上映もじわじわ始まってます。
アカデミー賞の結果が出てからプロモーションしたい配給元が多く、日本ではノミネート作品が劇場で見れないまま受賞結果を知ることが多かったんですよね。
それが今年は配給会社の頑張りもあって、受賞を本命視された作品が授賞式前に続々と日本で公開!
こういう方々の尽力があってこその、授賞式前公開。ありがたや~!
おかげで今年はアカデミー賞授賞式を例年以上に楽しめました。
やっぱりちゃんと自分で見て、面白い!すごい!と思った映画が多くの人々に評価される瞬間を見れるのはほんとうに嬉しい。
配給さん、また来年もお願いします!!
さて、前回同様、気になっていてまだ見れてない映画への期待と妄想もしたためてます。
まだ間に合う作品も多いので、もし見たら追記していきたい所存。
では、レッツゴー!
2018年2月公開の映画(鑑賞済み) の感想
スリー・ビルボード
早速、大本命の登場です。
2月公開の映画で一番、映画としての力を持っているのがこの『スリー・ビルボード』。
娘をレイプされたうえ焼き殺された母親ミルドレッドと、その事件を追う警察署署長ウィロビー、そして彼を慕う警察官ディクソンの3人が、大切なものに報いるために、自分たちの大切なものを守るためにあがくヒューマン・ドラマです。
この映画、とにかく主要登場人物3人を演じた俳優陣の演技が光りまくってます。
主演のフランシス・マクドーマンドは、このミルドレッド役でゴールデングローブ主演女優賞、アカデミー主演女優賞を受賞。
フランシス・マクドーマンドは、過去に『ファーゴ』でもアカデミー主演女優賞を受賞。確固たる意志をもって行動する女性の役をいつもカッコよく演じています。
フランシス・マクドーマンドは、ミルドレッド役のオファーがきた時に、子どもたちの年齢からして自分は歳をとりすぎていると思い、演じるかどうか迷ったそうです。
この映画は南部よりの田舎、ミズーリ州の架空の町が舞台。
たしかに、この地域の女性は早めに結婚して、早めに子どもを生んでいるのが普通。
マクドーマンドの年齢だと、子どもたちが成人していてもおかしないのですよね。
でも本編を見ていただければわかりますが、彼女の年齢なんて全く気になりません。
気にならないどころか、これ以上ないほどぴったり役にハマっています。
あの小さな町に、あれほどの衝撃を巻き起こす中心人物なのだから、ほかの人と違った人生を歩んでいてなんら不思議はないんですよね。
あの社会で、ちょっと遅めに結婚して子どもを育てる。むしろその違和感こそが、ミルドレッドのバックグラウンドをより重厚にしています。
さらに見た人々の心に残る名演をしているのが、感情のままに動くだめだめ警察官ディクソンを演じたサム・ロックウェル。
なんと、警察署署長を演じたウディ・ハレルソンとともにアカデミー助演男優賞にWノミネート。同じ部門賞にふたりもノミネートすることは滅多にありません。
とにかくことあるごとに、主人公につっかかります。
主人公も相応のことをしてなくもないので、しょうがないんですが。笑
もうね、ディクソンはあれなんです。純粋がゆえにちょっとおバカさんなんです。
だから目の前で起こることを、自分の狭い世界の定規を使って、ありのままに受け取ってしまうんですよね。
ちっさい信念だけど、それをもとに行動していて、決して悪人ではない。
だから見てる方も彼の振る舞いをちょっと許しちゃうし、かわいいと思ってしまう。
このちょっとしたコミカルなニュアンスを演じるのって、やろうと思ってできることではないんですよね。
それをサラッとやってのけているサム・ロックウェル。すごいです。
映画を見終わったあとは、きっとディクソンを好きになっているはず。
blank13
俳優として活躍する斎藤工の長編初監督作。
監督のときは難しいサイの字の、齊藤工名義みたいですね。
すでに俳優としての斎藤工が大好きウーマンのわたくし。
主演の高橋一生もブレイクする前から好きで色々作品を追いかけていたので、例のananは速攻で購入しました。
blank13の特集が組まれた例の『an・an』。やばくないっすかこの表紙。こんなん絶対買いますわ。
もともと彼が映画好きということも知っていて、予告も良い感じだし、わくわくしながら見に行った本作。
めっちゃ良い映画でした。
キャストも豪華で、主演の高橋一生や、その兄を演じる斎藤工のほか、13年間失踪していた父親をリリー・フランキー、主人公の恋人を『勝手にふるえてろ』でも話題沸騰中の松岡茉優が演じています。
話題の邦画俳優陣がてんこ盛り!
そんな豪華キャスト陣をおさえてわたしの心に残ったのが、主人公の母親を演じた神野三鈴(かんのみすず)さん。
撮影中の一幕。普段は舞台で活躍されている女優さんで、映画はあんまりでていないみたいです。もっと映画でも見たい……!!
妻として、そして母として日々を生きる洋子の穏やかな強さを見事に演じています。
最後のシーンの洋子さんの横顔、ほんとうに美しいです。
監督の映画好きが伝わるたしかな演出は、キャスト陣の細やかな演技を邪魔せず、俳優としての経験がいかされています。
コミカルなカットを入れるタイミングも◎
キャストも、演出も、映画らしい魅力がギュッとつまってます。
ほんのり哀しくて、ちょっとシュールで楽しい。
齊藤工監督の次回作が待ち遠しいです。
グレイテスト・ショーマン
ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』。
この映画のなにがすごいって何をおいてもエンタメ、これに限ります。
ヒュー・ジャックマン=X-MENのウリヴァリンの印象が強い方も多いと思いますが、『 レ・ミゼラブル』の主演をはじめ、歌って踊れるハリウッド俳優の代表格。
歌って、踊って、どこまでも華やか、俺たちの見たかったヒュー・ジャックマンがまさにここにいる!って感じです。
ヒューが演じる主人公P・T・バーナムは実在の人物。
サーカスを世に生み出した人として有名で、この映画でもバーナムがサーカスを作り上げるまでを描いています。
なのでストーリーはいたって単純。
そのシンプルなあらすじに、華やかな歌とダンスを交えながら多様性が持つ可能性をメインテーマとして組み上げたのが本作です。
たとえ社会に忌み嫌われようとも、ふさわしい場所で輝くことで、その存在価値を自ら見つけられたキャラクターたちが歌う主題歌『This Is Me』は圧巻。
↑↑こちらで試し聞きもできますが、ぜひ劇場で迫力あるダンスシーンとともに見て欲しい1曲。
個人的には、ザック・エフロン演じるフィリップとゼンデイヤ演じるアンのもどかしいカップルがとっても好きです。
『ニューヨークの恋人』ばりにキメッキメのヒューを目当にこの映画を見に行ったのですが、ザックとゼンデイヤがまんまとわたしの心をかっさらっていきました。
インタビュー中のゼンデイヤとザック。このふたりが可愛すぎて、見つけた瞬間、秒速で保存。
フィリップは上流階級の演出家、アンは黒人の空中ブランコ乗り。
人種差別が根深かったこの時代に、恋に落ちたふたりのメインソング「Rewrite The Stars」がほんとうに素敵なのです……!
FOX公式チャンネルがそんなふたりの見せ場をチラ見せしてくれてます。↓↓
ロマンティックなのにどこか哀しい。何回でも見たくなります。
ゼンデイヤはその身体能力の高さから、多くのスタントを自分でこなしています。
とはいえやはり肉体的にも精神的にも辛かったようで、それを支えたのが主演のヒュー・ジャックマンとザック・エフロンだったんだとか。
この映画はキャラクターたちだけでなく、キャストたち自身もお互いに支え合うことで、その成果が存分に発揮されているんだなぁとしみじみ思いました。
The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ
ソフィア・コッポラ監督の最新作である今作。
女性の欲望、美しさ、醜さを描かせたら天下一品なコッポラ監督。今回もすんごいです。
南北戦争中のアメリカ南部にひっそりと佇む女子寄宿学校にコリン・ファレル演じる北部兵士が迷い込む。
誠実でハンサムな「男」の存在によって、平和だった女性たちの花園が少しずつ狂っていく様が、絵画のような美しい画角で淡々と描かれていきます。
ほんとにどのカットもびっくりするぐらい美しいのです。マジで絵画。
どちらもビジュアルカットではなく、本編中のワンカット。印象派的な色味の中にほのかな不気味さが漂う。おそろしいほどの画力。
北部兵士を演じるコリン・ファレルもセクシー大爆発で存在感がありますが、さらにすごいのが豪華女性キャスト陣。
とにく寄宿舎の責任者を演じるニコール・キッドマンが素晴らしいです。
わたしは『ムーラン・ルージュ』のころからこの方の大ファンで色んな作品を追いかけていますが、近年の活躍はめざましい。
この映画でも、作品自体に大きな説得力をもたらす存在です。
さらに、コッポラ監督作品の常連になりつつあるキルスティン・ダンスト、みんなだいすき小悪魔エル・ファニングもそれぞれの個性が光っています。
さよならの朝に約束の花をかざろう
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』をはじめとしたオリジナルアニメの脚本家として人気の岡田麿里が、監督もてがけた本作。
最近は仕事が忙し過ぎて映画優先になりがちですが、ちょっと前まで深夜アニメはほとんどすべて見ていたぐらいのアニメ好きだったので、岡田麿里さんの新作と知って大慌てで見にいったところ……
いや~~おもっくそ泣かされました。
主人公マキアは長命の種族イオルフ。
きっと人間とのままならい恋の話なんだろうと思いきや、ところがどっこい。
さまざまな視点から描かれる、孤独、愛、自分の望む生き方を求めてさまよう人々の作品でした。
個人的には、主人公の友人レイリアと人間のイゾルのふたりが非常に心に残りました。
きっとあんなことがなければ出会わなかったふたりだからこそ、イゾルが心に抱えた重さがこちらにもずっしりと伝わります。
いい作品なのにいつもタイトルが思い出せず、人にオススメするのが大変な岡田麿里作品。笑
この作品は『さよ朝』と略すらしいです。
みんな!ほんといい作品なので、この3文字だけでも覚えて帰って!!
ゆれる人魚
ポーランド映画を見たのはおそらくこれが初めてかも。
人魚姫をベースにしたひんやりダークファンタジー、ところによりスプラッタな本作。
なんとこの作品、ミュージカル映画でもあります。
たしかに人魚姫って歌がうまいという世界的な設定があるので、ミュージカルにぴったりの題材ですよね。『リトル・マーメイド』 しかり。
人魚の姉妹を演じるふたりの歌声もステキですが、彼女たちを拾って世話をするバーの歌姫クリシアが非常に魅力的です。
あやしくも麗しい人魚たちに全然負けてません。
しかもこの監督、この映画が初長編作品と知ってびっくり。
ほかにない鮮烈な出来にはなかなかの才能を感じます。
ミュージカルとはいえ、この作品は見るのにけっこう体力使います。
元気なときに見るのがオススメ!
2018年2月公開映画(未鑑賞)への期待と妄想
2月公開の映画はあんまり見れてないなぁと思いきやそんなこともなく。
6作品も映画館で見てました。
それでもやっぱり見逃した映画を、期待と妄想をこめて紹介します。
まだ劇場で見れる作品も多いので、見たら鑑賞後の感想も随時更新していきます📝
RAW~少女のめざめ~
ベジタリアンの少女が、肉食に、そしてカニバリズム(食人)に目覚めていく様を描いた一作。
食人映画といえば、少し前に会社の先輩に口説き落とされて一緒にみたR-18カニバル映画『グリーン・インフェルノ』は結構おもしろかったです。
若干コミカルに演出していたので、わたしはなんとか笑いながら最後まで見れましたが、満席だった劇場が映画が終わったときには半分ぐらい空席になってましたw
RAWは終始ガチトーンで話が進みそうだったので、ひとりで見るにはちょっと尻込み……。
わたしをグリーン・インフェルノに誘った先輩を道連れにしようと現在画策中です。
アバウト・レイ 16歳の決断
エル・ファニングがトランスジェンダーを演じると聞いてチェックしていた一作。
ショートカットがとてもよく似合ってます。
調べたらこれ2015年の映画みたいですね。
エル・ファニングはここ2〜3年で10本近くの映画に出演。大忙し!
小悪魔な役から少年まで幅広い役柄をこなす演技力はさすが◎
今後も応援したい大好きな女優です。
レンタル前に名画座系でひろいたいけど……
早稲田松竹とかギンレイホールとかやってくれないかな。
マンハント
はばたく鳩、スローモーション、キメ顔で銃を構えながら振り返る登場人物。
そう、もう誰だかわかりましたね?
我らがジョン・ウー監督です。
わたしは『ミッション・インポッシブル2』ですっかり虜になったのですが、このお方のアクション、とにかくクセになります。
アクションシーンに平和の象徴たる鳩をこれでもかと飛ばすジョン・ウー監督。
はためかせたいがために主人公にロングコートを着せるジョン・ウー監督。
自分の好きなものをこれでもかと映画に詰め込む監督が大好きなので、絶対みる!!!!!と思っていたのにまんまと見逃しました。
福山雅治が出てるから日本人けっこう見だろうし、後回しでも大丈夫っしょ!とすっかり油断。
みんな!雅治やぞ!!もっと見ようよ!!!
ラ・ベア マッチョに恋して
『マジック・マイク』シリーズのビッグ・ディックことリッチー役を演じたジョー・マンガニエロが監督した男性ストリップのドキュメンタリーです。
※ディックの意味がわからない良い子たちはGoogle先生に聞いてみよう!
わたしはマジック・マイクが大大大好きで、それこそBlu-rayの読み取り面がおかしくなるんじゃないかってぐらいヘビロテしてます。
マッチョ、ダンス、ストリップは経済を救う、だから世界も救う。
ジョー・マンガニエロとマジック・マイク主演のチャニング・テイタム。画面がかわいいでいっぱい。
よくストリップ映画に目覚めたい子羊たちに、マジック・マイクとマジック・マイクXXLどっちから見ればいいの??と聞かれるんですが、個人的なオススメはXXLです。
XXLは続編の方ですが、そこはそんなに気にしなくてもOK。
マジでエンタメです。エンタメの極みストリップ映画。
マジック・マイク無印もオーシャンズシリーズでおなじみのソダーバーグ監督なので面白いんですけどね。
シリアスなシーンも多いので、まずストリップ映画を楽しみたいならXXLがオススメです。
ストリップダンサーって男性も女性もめちゃくちゃキレイな身体してるんですよね。
というかそもそも「ダンサー」と名のつく人々は、揃いも揃ってしなやな筋肉をもった美しい身体をしています。
ミス・ユニバースなんかも、理想的な体型に「ダンサーのような身体」をあげていて、日本人2人目のミス・ユニバースに輝いた森理世さんもダンサーでした。
おっと、話がだいぶそれてしまった。
さて、この映画では華やかな表舞台に現役ダンサーはもちろん、ストリップ劇場の裏側も見せてくれる模様。
めちゃくちゃ見たかったのに、東京の公開劇場が1ヶ所とかだったんですよね……まんまと見逃しました……うぐぐ……。
名画座で上映にもこなさそうなマイナー度なので、配信サービスかレンタルを狙います。
はやく見たいぞー!!
アウトサイダーズ
マイケル・ファスベンダーがめずらしく教養のない粗暴な口調だったので気になっていた一作です。
アメリカに実在した犯罪一家を描いたクライム・アクションなのですが、そう見せかけて家族の在り方を描いていそうな予感。
ダンケルクで印象的だったバリー・コーガンも予告で悪~い顔してます。
こちらもこんなに面白そうなのに、公開劇場が少ないこともあって見逃しました。
あ~~も~~1日が48時間あればいいのに……。
こちらも配信サービスとレンタルの早期対応に期待。
ナチュラルウーマン
恋人を亡くしたトランスジェンダーの女性を描いた本作。
亡くなった恋人にただ別れを言いたいだけなのに、彼の親族には葬儀への参列すら拒否される姿は、コリン・ファース主演の『シングルマン』とも重なります。
主人公マリーナを演じるダニエラ・ヴェガ自身もトランスジェンダー。
監督は当時、映画の内容について彼女に相談していただけのようですが、目の前に理想的な演じ手がいることに気づき、そのままこの役をオファーしたそう。
公式サイトに監督の詳細なインタビューが載っているので気になる方はぜひ。
マリーナを意識的に画面の中心に据えた話とか、ぐっときます。
アカデミー外国語映画賞を受賞したこともあり、まだまだ劇場公開の終了まで余裕がありそうなので、こちらは逃さず見に行きたい所存です。
ザ・シークレットマン
予告編を見る前は、大統領相手でも容赦なしのシークレット・サービスとして、リーアム・ニーソン大暴れ!それなんて『エンド・オブ・ホワイトハウス』?と思ってました。全然違った!スミマセン!!
本作は、アメリカ史上最大の政治スキャンダルともいわれる「ウォーターゲート事件」を題材にした映画。
主演のリーアム・ニーソンはニクソン大統領の不正を暴くために奔走したFBI副長官を演じています。
予告を見る限りだと、最近のリーアムにはめずらしくアクションはおさえめ。
それもあって鑑賞テンションが上がりきらず、ちょっとモタモタしてたらリーアム主演の最新作『トレイン・ミッション』がはじまってしまいました。
こちらもまだ見れる劇場があるので、どっちがどっちかわからなくなる前にとっとと見てきます🏃💨
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以上!
2月は短いので、見た映画も見たかった映画もそんなに多くないだろうと思いきや、全くそんなこともなく。
おもしろい映画が多かったので、感想を書き上げるのにもけっこう時間がかかってしまいました。(おそろしいことにすでに8,000字も書いている)
楽しいからいいのだけど、全部を書き上げるまで書き終わった作品の感想を眠らせておくのももったいない。
今後はなるべく映画見るごとに単発で記事をあげていきたいなと思います。
あ~~見る時間も書く時間も足りぬ!
精神と時の部屋ほしいいいいい!!!